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ミニート四駆




少し昔のことですが、僕とキムラはミニ四駆をやってました。



まぁ全然20歳超えていましたけどね。
もちろんガチで。


ええ。それでですね。
二人の全財産10000円を注ぎ込んだわけです。



おもちゃ屋での会話。












キムラ「あ?ぜってぇアバンテだろ!!?間違いなくはえぇぇからよぉ!」

レーゴ「あ?うるせぇよ!ネオバーニングサンだ馬鹿野郎!ブリバリにはぇぇんだよ!」

キムラ「あ?じゃあ競争か?」

レーゴ「あ?やってやろうじゃねぇかよ。スタジアム通りでよ!」
























単車を買う前のヤンキーか。












どちらにしろ20歳超えたやつらがおもちゃ屋でいうことではございません。






まだヤンキーのほうがお金を大量に使うので日本経済を潤わせている気がします。





そんなこんなで、キムラは「アバンテ」、 レーゴは「ネオバーニングサン」を購入。
ガチで改造をして、90年代の小学生には負けないくらいのものを作ったのです。





その日の深夜。
ついに決戦の火蓋は切られたのです。







ここで、二人のマシンを紹介しよう。
チューンは省いて紹介しよう。





木村作「アバンテ Men on ブラック」





とにかく黒い。ただ黒い。
チューン大半の時間は、乾電池を黒く塗る作業に費やしたという究極のマシンだ。






レーゴ作「ネオバーニングサン 眩しくて」






とにかく蛍光グリーン。ただ蛍光。
チューンの大半の時間は、乾電池を蛍光グリーン色に塗る作業に費やしたという究極のマシンだ。






スタジアム通り(公道)に着くと、そこはもう誰もいない僕らの戦場。
一時間に一台そこらの車が通るが、うちらの敵ではないだろう。

ある程度直線なので、ミニ四駆が走るにはもってこいのコンクリートフィールドだ。



スタートラインに立つ二人。


キムラ「あ?俺のMen on ブラックは闇に紛れて消えるほどはぇぇぞ?ないてもしらねぇぞ?」

レーゴ「あ?ゴキブリみてぇなんころがしてんじゃねぇぞ?てめぇを一縷の光で一瞬だけ照らしてやっからよ!」




















注)ミニ四駆です。
















スイッチオン。

















深夜のスタジアム通り。
けたたましくなる雷音の如しモーター音。







地面に設置して


いざスタート!!!!



























(  Д ) ゚ ゚


























はぇぇよ。












そう。10000円もかけると激はぇぇんですね。ミニ四駆って。



僕のは蛍光グリーンにしたのでぼんやりとですが、光が闇に消えていくのがわかりました。



そして焦った僕らは全力でダッシュです。追いつくはずも無いのに。




五分くらい走りましたでしょうか。




裏返り、うるさいくらいの空モーター音を鳴らすネオバーニングサン発見。












四人くらいのスケーターに囲まれた状態で。











そして、その四人はUFOが落ちてきたかのように、訝しげに、あたりをスケボーで回遊していました。














そりゃあそうさね。
深夜にミニ四駆はしらせてる子供なんていないよね。



もしいたらそれは90年代の子供の霊です。







スケーター1「さ、さばくね!?これって。ミ、ミニ四駆!?」


スケーター2「こんな時代に!!?も、もしかして。。」


スケーター3「子供とか出てきたらど、どうすんべ!?」


スケーター4「こんなに深夜に!?さ、さばくね!?」











とかなんとか思ったことでしょうに。
むしろそう思って下さって、逃げてくれたほうが嬉しかったです。
























さて、どうする。
レーゴ。












恥ずかしさに勝てるのか?
















頭をフル回転させるレーゴ。


頭の中には





1、ネオバーニングサンを見捨てる。
2、スケーターを蹴散らしミニ四駆をとる。
3、スケーターと仲良くなって、ミニ四駆の面白さを語る。





この三つが思い浮かんだ!










よし。

即座に2番を選択。




当たり前である。
ネオバーニングサンという戦友を見捨てるわけにはいかないからだ!
いざ尋常に助けに行かせて頂きます!


































レーゴ「あ、あのぉ〜。すいません〜。それ僕の友達なんです。」














スケーター達「………………………」





















くっ。
ハートレスめ。

戦友を助けるための必至のギャグを無視するなんて。
キャプテン翼を読んでいないのか!











レーゴ「友達ですからね。ほら。おこしてあげないとね。ほらー病院行かなきゃ〜。」










スケーター「…………………」














ごみむしが。
スケーターなら滑ってるくらい表現できるだろうが。


















スケーターにぐるぐる周りを回られながら、ミニ四駆を助け出す20歳超え。

死んだほうがいいと思うのは僕だけでしょうか。


まぁそんな時でした。











奇跡の音が近づいてきたのです。










僕とスケーターの集団に向かってくる黒い影。










そう。






キムラアバンテだ。








ものすごい速さでこちらに向かってくるアバンテ!
少し遠くでキムラが


「助けてやる!」


といった様な素振りでたたずんでいた!



ナイスだキムラ!
アバンテを追っかける振りして逃げれば良いのか!
そうだな!?
そうなんだな!?










少年誌ならば



スケーター1「や、やべぇぇぇ!なんつぅ早さだ!ぐわーーー!」

スケーター2「み、見えなかった。。そしてなんだこの切り裂くような風は!ぐわーーー!」







ってなるでしょうに。











しかしこれはれっきとした成年誌です。














ゴッ!













アバンテ。スケボーに衝突。












そしてぶつかった衝撃でアバンテはあらぬ方向に去っていきました。















スケーター「……………」

ミニ四駆片手に囲まれるレーゴ「………………」













キムラよ。
お前は何がしたかったのだ?




















そして近寄ってきたキムラがこう言ったんです。



キムラ「あのさーーー!今の黒いのどこ行った!?どっちいった!? 今ぶつかったからみてるしょーー!ねーー!」













てめーの心がどっちへいった?





もしかして今ぶつかったものは貴様の心だったのか?




つぶされてしまえごみむしめ。







しかし、そこには未来への光が指してきたのだ。
一人のスケーターがアバンテが消えた方向を指差したのだった。















物悲しげな、路上生活者を見るような目で。















キムラ「ありがとーー!アバンテーー!」















キムラも闇の彼方に消えていった。















やつはすでに90年代の子供の霊にとり憑かれていたのであろう。






囲まれた状況の僕ですら、暗闇の中に走っていくキムラの背中に哀愁を感じましたからね。




























その後僕はどうなったかというと、スケーター達と仲良くなり、


年下スケーター「レーゴ君まぢ、うけるよ!その歳でミニ四駆なんて!スケボーもやろうよ!」

レーゴ「ほんとにうけるよ。この歳でミニ四駆なんて!スケボーは出来ないよ!」

年下スケーター「その歳からでも、ミニ四駆にガチで金かけれるならできるよ!みんなでやろうよ!スケボーとミニ四駆!
















スケボーだけにしておけ。

人生の先輩からの忠告だ。



















と、
















みんなで和気藹々とミニ四駆をしました。



















しかし、キムラはその日、帰らぬ人になった。。。









闇と、ミニ四駆。 これは、90年代の子供の霊を呼び出す絶好のシチュエーションになってしまうのでお気をつけて。


























次の日、スタジアム通りの先、車通りが多い道にまで行ってしまったキムラアバンテは

ぐちゃぐちゃになって空へ還って行きましたとさ。


そして、三年後に年下スケーターがリアルニートになることなんて、その時はだれも知らない。












おわり。



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